バリアフリー推進事業

バリアフリー推進事業の成果

2018年度の事業

日本財団助成事業
旅客船及び旅客船ターミナルにおけるバリアフリー施設整備に対する助成金の交付
海上交通バリアフリー施設整備推進 
離島等における高齢者・障害者等の日常生活や社会生活に必要な移動の円滑化を推進するため、旅客船及び旅客船ターミナルのバリアフリー施設整備に対して助成しました。 
 
交通バリアフリー情報提供システムの構築
交通バリアフリー情報提供システムの構築 
高齢者、障害者等の移動に制約がある人々が公共交通機関を利用する際のバリアフリー施設、乗換案内等の情報提供について、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催や訪日外国人旅行客の増加に対応した機能を備えたシステムを構築し、情報提供基盤を確立しました。
 
エコモ財団の自主事業
交通事業者と一般向けバリアフリー啓発・教育の実施  

 公共交通従事者のバリアフリー接遇・介助水準の向上を目的としてバリアフリー研修を実施しました。2018年度は首都圏と関西地域での交通サポートマネージャー研修(鉄道・バス計6回)を実施するとともに、新たに京都市交通局(地下鉄・バス)向け研修3回を実施し、合計で213名が修了しました。これまでの累計修了者数は1,361名となりました。また、研修の普及、改善を図るため障害当事者の講師などが参加する「普及推進会議」を首都圏と関西地区で開催し、講師、関係者の意見交換を行なった。さらに障害者団体が実施する当事者講師養成研修を共催し、今後の講師獲得に向けた取り組みの一環としました。また、現在研修で使用している動画教材の更新のためシナリオ作成、講義資料の作成を行ないました

 一般向けには「一般利用者や学校等へのバリアフリーの啓発・普及検討意見交換会」にてご意見を頂きながら、今後の方向性等について検討した。また小学校(23件)、中学校(2件)、大学、自治体等(6件)と協力して31ケ所でバリアフリー教育プログラムを展開しました。 
 
公共交通事業等に従事する者に対する手話教室の開催
聴覚障害者の公共交通機関による移動の円滑化を図るため、公共交通事業等に従事する者を対象とする手話教室を開催した。30年度は首都圏において13名(6事業者)、大阪地区において13名(9事業者)が手話教室を修了しました。
 
オリンピック、パラリンピック開催に向けた移動と交通に関する調査等

2020年東京オリンピック、パラリンピック開催に向けた移動と交通に関して、@移動者側のニーズ調査(継続調査)、Aボランティアなど人的対応によるシームレスな移動支援実現の調査(継続調査)、Bトイレ関連等の標準案内用図記号の検討を実施した。@は2017年度に続き、首都圏在住者を対象としたウェブによるアンケートを実施し経年比較を行ないました。Aは(一財)国土技術研究センターとの共同研究として、シームレスな移動支援のための「障害の社会モデルから考える心のバリアフリー研修」用動画を作成しました。動画の作成においては障害当事者が主体の協議会を設置し、視覚障害者編、精神障害者編を作成し、自治体や大学などで試行しました。 Bは2020年東京オリンピック、パラリンピック開催に向けてわかりやすいサイン環境を目指すため、トイレ関連等の標準案内用図記号を検討し、8項目の図記号を作成、公開しましした。

 
バリアフリー推進勉強会等の開催及び関係学会との連携
交通バリアフリーを推進する上での課題等についてハード・ソフトの両面から最新の動向を踏まえて、関係者等との意見交換、情報交換を行うことを目的として、バリアフリー推進勉強会を9回(東京7回、関西2回)開催しました。また、交通バリアフリーに関する最新の知見等を把握するため関連学会等と連携を図り、大会等への参加を通じて情報収集を行いました。2018年11月に台湾・台北で開催されましたTRANSED2018(第15回高齢者と障害者の移動と交通に関する国際会議)には論文発表並びに展示ブースを出展し、エコモ財団並びに情報通信研究会の取り組みなどの紹介を行ないました。
 
公共交通機関における様々な障害等の対応に関する調査等   

@ 公共交通機関における障害者差別解消の推進に関する研究

「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」が施行となりました。2016年度に同法に基づいて取り組むべき対応のあり方等について交通事業者と利用者向け冊子を作成し普及を図ってきました。2018年度においては、法施行後の状況を踏まえた同冊子の改訂に向け、ウェブアンケートにより全国の差別事例、好事例の収集を行ないました。

A 公共交通機関における認知症者の対応の提案

認知症者の交通機関利用を支援する、「おでかけサポートカード」を発表し、事業者、当事者と家族、支援者等に配布しました。また交通事業者、地方運輸局の会議等でも同カード並びに「困っている人への声かけ・見守り」冊子等の資料配布を行い、研修への協力を行ないました。さらに町田市にてセミナー「高齢者が安心して電車やバスに乗れるように〜交通機関と認知症シンポジウム〜」を開催し、各地の取り組み事例紹介やパネルディスカッションに、交通事業者、支援者、当事者の方など約200名が参加した。また、昨年度に引き続き有識者等によるワーキングを開催し、次年度のプログラム等を議論しました。

B 不便さ調査

当財団のHP上で「高齢者・障害者等の公共交通機関不便さデーターベース」を運用しました。

C バリアフリー認証制度の検討 報告書

2018年3月にバリアフリー法が改正され障害者等の参画による評価等を行う会議が開催されることになり、今後障害当事者も参加する評価の重要性が増してくると考えられることから、既に法律に基づくバリアフリー認証制度を施行している事例(韓国等)を把握し、その実現性を考察するための基礎調査を実施しました。

 
福祉送迎車両の利便性・安全性向上に関する調査研究
福祉送迎車両における利用実態やニーズを把握するため、第61回全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会総会/PTA・校長会合同研究大会「福井大会」に参加し、来場者にアンケートを配布しました。これにより保護者や学校単位での送迎車両ニーズを把握するとともに、5校の特別支援学校にもヒアリング調査を実施しました。利便性と安全性の向上については設備上相反する部分もあり、特装技術や法制度の面では具体的な提案事項の取りまとめには至らなかったものの、利用者、特装メーカー、交通事業者それぞれの視点から、現状の課題や要望事項等を整理しました。
 
移動等円滑化ガイドライン(旅客施設・車両等)の見直し検討

@ 「ICT等を活用した誘導案内のあり方検討」では、有識者、専門家、国土交通省関係者による検討会を準備会も含め5回開催し、交通事業者等の最新取り組み事例の把握を行ったうえで、ウェブアクセシビリティ並びに歩行者誘導支援をバリアフリー整備ガイドラインに反映させる際の素案を取りまとめました。
A 「エスカレーターへの誘導ブロック敷設に関する方策検討」については今後、国交省で検討の予定があることから本年度の実施は見送りました。

B 「バリアフリー整備ガイドライン説明会」については、日本福祉のまちづくり学会と共催し、各地方運輸局の協力を得て全国11カ所で説明会を実施し、ガイドラインの普及に貢献した。説明会には障害当事者、交通事業者、地方公共団体など約900名が参加しました。
 
ECOMO交通バリアフリー研究助成
今後の交通バリアフリー推進に寄与することを目的として、交通バリアフリーに関わる先進的な調査研究や研究開発を行う研究者や活動を行う個人、団体等に対し12件(一般部門2件、研究・活動部門10件)の助成を行った。また、2018年6月に2016年度、2017年度の助成対象事業について成果報告会を開催しました。
 
「らくらくおでかけネット」等の運営
高齢者、障害者等が公共交通機関を円滑に利用できるようにするため、駅構内のバリアフリー施設、乗り換え案内のバリアフリー情報をインターネット、携帯端末を通じて提供するシステム(らくらくおでかけネット)等の情報更新等を行いました。また、オリンピック、パラリンピック開催に向けたバリアフリー情報提供に関する検討を行いました。