
当財団は、1994年9月、当時の運輸省、日本船舶振興会そして交通事業者、地方公共団体等幅広い皆様のご支援とご協力により、当財団の前身であります「財団法人交通アメニティ推進機構」が設立されました。その設立目的は、高齢者や障害のある方々が安全かつ快適に公共交通機関を利用して移動できる交通システムを実現するため、バリアフリー施設整備に対する支援や調査研究等を行うことでした。 設立直後の1995年1月に阪神・淡路大震災が発生しましたが、復興の一環として障害のある方を含む市民参加によるアメニティ・ターミナルの建設を支援しました。
京都議定書が採択された1997年には、我が国の直面する課題である運輸交通部門における地球環境問題への対応のための事業を追加することとし、名称を「交通エコロジー・モビリティ財団」と変更しました。
その後バリアフリーの分野では、2000年の交通バリアフリー法の制定をはじめとする法制度の充実やバリアフリー整備ガイドラインの改訂、さらには2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催などに伴い、ユニバーサルデザインの街づくりや心のバリアフリーの推進へと取組は進化・深度化しています。
地球温暖化対策の分野では、京都議定書に続く新たな国際的枠組みとしてのパリ協定の下、2050年のカーボンニュートラルを目指し、国を挙げた取組を進めていかなければなりません。運輸交通分野では、自動車・道路交通対策、物流の効率化、公共交通の利用促進などの総合的な対策が求められています。
2012年の公益法人制度改革により、当財団は、公益財団法人として認定を受け、バリアフリーと交通環境対策分野に係る公益目的実現のための歩みをさらに重ねています。両分野ともに、一定の水準を達成できれば完結するといったものではなく、社会やグローバル環境の変化に応じて常に取組のバージョンアップが求められる宿命にあります。その意味で求められる課題は目白押しです。
今後とも、当面する課題に立ち向かい、財団の使命である「移動と交通を軸とした人と地球にやさしい社会環境の実現」を目指して、より一層社会のニーズにお応えできるよう役職員一同、一層努力を重ね事業を推進していく所存であります。
改めて、更なるご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
