バリアフリー推進事業

バリアフリー推進事業の成果

2019年度の事業

日本財団助成事業
旅客船及び旅客船ターミナルにおけるバリアフリー施設整備に対する助成金の交付
海上交通バリアフリー施設整備推進 
離島等における高齢者・障害者等の日常生活や社会生活に必要な移動の円滑化を推進するため、旅客船及び旅客船ターミナルのバリアフリー施設整備に対して助成した。 
 
共生社会実現に向けた移動円滑化基金事業執行のための基金造成
2020年パラリンピック東京大会を契機として、「心のバリアフリー」と「ユニバーサルデザインの街づくり」に取組む「共生社会ホストタウン」の拡大など地域における共生社会実現に向けた機運が醸成されつつあり、この取組をパラリンピック後もレガシーとして継続する必要がある。 地域における先駆的なハード・ソフト両面のバリアフリー化の取組を推進し、共生社会実現に向けこれまで指摘されてきたが十分に対応ができていなかった港湾・空港施設におけるリムジンバスのバリアフリー化、旅客船・小型航空機等の乗船時・搭乗時のバリアフリー化、及び避難所となる学校施設のバリアフリー整備等に対して、基金を活用した支援を行います。また、オリンピック・パラリンピック後のレガシーについて、さらなる交通バリアフリー促進の観点から共生社会ホストタウンなど先進的取り組みを広く共有し、国内各地にバリアフリーの展開を図るためシンポジウム等を開催します。 2019年度においては、上記内容を概要とする事業の2020年度から2025年度まで5年間にわたる執行に資するため、当該基金の造成を行いました 。
 
エコモ財団の自主事業
交通事業者と一般向けバリアフリー啓発・教育の実施  
公共交通従事者のバリアフリー接遇・介助水準の向上を目的としてバリアフリー研修を実施しました。首都圏と関西地域での交通サポートマネージャー研修(鉄道・バス計6回)を実施するとともに、京都市交通局(地下鉄・バス)向け研修3回、神戸市交通局(地下鉄)向け研修1回を実施し、合計で287名が修了しました。これまでの累計修了者数は1,648名となりました。また、研修の普及、改善を図るため障害当事者の講師などが参加する「普及推進会議」を首都圏と関西地区で開催し、講師、関係者の意見交換を行ないました。さらに障害者団体が実施する当事者講師養成研修を共催し、今後の講師獲得に向けた取り組みの一環とした。また、新たな研修用動画を制作しました。
 一般向けには、フレッシュコース・ジュニアコースの冊子に加え、冊子簡易版を作成しました。また、日本民営鉄道協会のご協力により、東武博物館、地下鉄博物館で夏休みバリアフリー教室を実施した他、小学校(18件)、中学校(5件)、大学、自治体等(11件)と協力して34ケ所でバリアフリー教育プログラムを展開しました。

 
公共交通事業等に従事する者に対する手話教室の開催
聴覚障害者の公共交通機関による移動の円滑化を図るため、公共交通事業等に従事する者を対象とする手話教室を開催しました。首都圏において11名(8事業者)、大阪地区において15名(8事業者)が手話教室を修了しました。また、出張手話教室を実施し1事業者15名が受講しました。
 
バリアフリー推進勉強会等の開催、障害者等とのネットワークの構築及び関係学会等との連携

 交通バリアフリーを推進する上での課題等についてハード・ソフトの両面から最新の動向を踏まえて、関係者等との意見交換、情報交換を行うことを目的として、バリアフリー推進勉強会を3回(東京2回、関西1回)開催しました。また、日本福祉のまちづくり学会特別研究委員会との共催でセミナーを実施しました。

 障害者団体とのネット―ワーク構築を目的として、2団体への訪問、2団体との面談を行い交通バリアフリーに関する意見交換を行ないました。また、バリアフリー推進部の活動への助言、協力を得る目的で3名のバリアフリー推進アドバイザーを任命するとともに、高速道路休憩施設(SA,PA)のバリアフリー状況等に関する調査を実施しました。
 
オリンピック、パラリンピック開催に向けた移動と交通に関する調査等   
2020年東京オリンピック、パラリンピック開催に向けた移動と交通に関して、@有識者・障害当事者へのインタビュー調査、Aボランティアなど人的対応によるシームレスな移動支援実現の調査(継続調査)、Bトイレ関連等の標準案内用図記号の検討、C空港における障害者支援の検討を実施しました。 @は2018年度までの意識調査結果を踏まえて2020東京オリパラへの課題、レガシーとして取り組むべき方向性について、有識者・障害当事者14名へのインタビュー調査を実施しました。Aは(一財)国土技術研究センターとの共同研究として、「障害の社会モデルから考える「心のバリアフリー研修」用動画(聴覚障害編)を作成し、車いす編等と合わせ、自治体、大学、交通事業者等で実施しました。Bは2020東京オリパラ開催に向けてわかりやすいサイン環境を目指すため平成30年度に作成した8項目を追加した「標準案内用図記号ガイドライン改定版」の改正を進める予定でしたが、新型コロナウィルスの影響により委員会開催を延期としたため、2020年度に改正を進める予定です。Cはハード・ソフトの両面から空港のユニバーサルデザイン計画を進めるため、実態把握を目的として4つの地方空港の空港UD診断を実施しました。
 
さまざまな障害等の対応に関する調査等
福祉送迎車両における利用実態やニーズを把握するため、第61回全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会総会/PTA・校長会合同研究大会「福井大会」に参加し、来場者にアンケートを配布しました。これにより保護者や学校単位での送迎車両ニーズを把握するとともに、5校の特別支援学校にもヒアリング調査を実施しました。利便性と安全性の向上については設備上相反する部分もあり、特装技術や法制度の面では具体的な提案事項の取りまとめには至らなかったものの、利用者、特装メーカー、交通事業者それぞれの視点から、現状の課題や要望事項等を整理しました。
 
移動等円滑化ガイドライン(旅客施設・車両等)の見直し検討

@ 障害者差別解消法

都道府県、政令市、中核市、東京23区を対象に、地方公共団体が設置する障害者差別解消支援地域協議会の設置状況、活動内容、交通に関する取扱い事例の有無等について調査を行ないました。

A 認知症者の交通機関対応

認知症者の交通機関利用を支援する、「おでかけサポートカード」を活用し、交通事業者講習会(京都市交通局人権研修への協力)を実施しました。

B 不便さ調査  

サーバー切替に伴い事業整理を行ないました。

C バリアフリー認証制度の検討  報告書

2019年3月のバリアフリー法改正で障害者等の参画による評価等を行う会議が開催され、今後障害当事者も参加する評価の重要性が更に増してくると考えられることから、既に法律に基づくバリアフリー認証制度を施行している韓国の調査(2019年度)に続き、韓国が参照したとされるドイツのバリアフリー整備の評価・推進の取り組みの制度や実施状況の調査を実施しました 。

 
移動円滑化促進のための基礎調査

@ ウェブアクセシビリティに関する講習会の開催

バリアフリー整備ガイドラインにおいてウェブアクセシビリティに関する項目が追加されたことを受け、ウェブアクセシビリティの基本的な考え方を周知する目的で、東京と大阪で交通事業者向けのセミナーを実施しました。

A エスカレーターへの誘導ブロック敷設に関する方策検討

国土交通省で別途検討の予定があることから本年度の実施は見送りました。

Bバリアフリー好事例の周知  

バリアフリー整備ガイドライン(旅客施設編、車両等編)に掲載されている参考例について、好事例を周知する目的からウェブサイト版の事例集を構築しました。ガイドラインの項目、設備名称、障害種別等のキーワードから関連する項目を容易に検索することが可能となりました 。
 
ECOMO交通バリアフリー研究・活動助成

今後の交通バリアフリー推進に寄与することを目的として、交通バリアフリーに関わる先進的な調査研究や研究開発を行う研究者や活動を行う個人、団体等に対し12件(一般部門7件、研究・活動部門5件)の助成を行ないました。また、2019年6月に2018年度の助成対象事業について成果報告会を開催しました。
 
「らくらくおでかけネット」等の運営
高齢者、障害者等が公共交通機関を円滑に利用できるようにするため、駅構内のバリアフリー施設、乗り換え案内のバリアフリー情報をインターネット等で提供するシステム(らくらくおでかけネット)の運営及び情報更新等を行ないました。