第4回バリアフリー推進勉強会開催結果概要
障害者差別解消法(「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)の動向
- 開催日
- 2013年7月3日(水曜日) 18:00〜20:00
- 開催場所
- TKP市ヶ谷カンファレンスセンター カンファレンス6B
- 参加者数
- 40名
- 講師
- 内閣府 障害者制度改革担当 室長 東俊裕氏
講演概要

これまでの取り組みを基に、障害者権利条約と障害者差別解消法についてお話いただきました。
障害者権利条約(2006年12月13日国連採択)については、国連加盟国・地域193か国のうち同条約を批准している国・地域は132か国となっていますが、日本は2007年9月28日に署名したものの、批准には至っていません。障害者権利条約の大きな特長として、@国際障害者運動を端に発することから、当事者参加であること、A特別な権利ではなく、障害のない人と同等の権利であることが述べられました。また、障害者権利条約における移動についての議論は、交通へのアクセシビリティの確保のほか、補装具など個人への支援の確立を求める内容となっていることが示されました。

障害者差別解消法は、2010年11月から25回にわたる専門部会を開催し、学識者(特に憲法・民法・労働法学者)、弁護士、障害者団体代表者等20数名による議論をベースに国会での成立に至りました。主な議論としては、差別は良くないと社会的に認識されているものの、何が差別にあたるのか明確ではないため、差別と判断できる「ものさし」を示して社会のルールとして共有することが大切であり、紛争解決のしくみづくりの必要性も指摘されました。部会の議論では、差別のパターンとしては「@直接差別」「A間接差別」「B関連差別」(併せて「不均等待遇」)「C合理的配慮を怠ること」等に整理する考えが示されました。事業者にとっては、利用者の数といった一般的な基準ではなく、個々の合理的配慮を提供する際に「過度な負担」が生じるかどうかで例外となるかどうか決まりますので、例えば駅の利用者数が1日3,000人未満だからといって、合理的配慮をしなくていいということにはならない。今後法律の施行に向けて様々な事例や判断基準の検討が必要であることが示されました。
今後3年間で、内閣府が基本方針を作成し、それに基づき各省庁が具体的なガイドラインを作成し、事業者や障害者への周知活動を行うことになっています。
- 当日の配布資料及び質疑応答
- 関連リンク
- 障害者の権利に関する条約(外務省)