バリアフリー推進事業

2018年度 成果報告

研究助成名

認知症になっても交通機関を利用し外出を続けられる社会を目指す

研究者名

京都市岩倉地域包括支援センター 松本 惠生

キーワード

“認知症になっても外出をあきらめない”“認知症当事者と行動を共にし、認知症の人の困りごとを理解する”

研究・活動内容

(研究・活動成果)
 1)認知症にやさしい交通セクターを目指すワークショップ 
協力)エコモ財団 松原氏・京都市域京都府地域リハビリテーション支援センター 清水氏 他

30.4.17 京都バス本社にて

〜実践ワークシップのねらい〜
認知症サポーター養成講座として位置づけ、講義だけでなく、交通セクターの方々と、専門職が同じテーブルで意見を出し合う【ワークシップ】を組み込むことで、交通・福祉関係者等セクターを超え、それぞれのおかれている状況を理解し、互いに考えながら認知症にやさしいまちづくりを共に目指す。
【セッション1】  時間配分 @30分 A20分
@認知症を取り巻く社会背景・英国における交通セクター側の認知症の取組
A認知症についての医学的知識を学ぶ 
【セッション2】  時間配分 40分
バスを利用する認知症の方の事例のワークシップ
「自分がこのバスの運転手だったら?」
「自分がこの乗客だったら?」

「認知症にやさしいバスとは?」

30.7.3 ・7.4 ・7.10 ・7.11  4日間 京都市交通局高速鉄道部

協力)エコモ財団 松原氏・京都市域京都府地域リハビリテーション支援センター 清水氏他リハ職の皆さん・京都市内地域包括支援センター4カ所・他

〜実践ワークシップのねらい〜
若年性認知症の丹野智文さんのビデオレター(エコモ財団作成)を使用し、交通セクターの皆さんへのメッセージを聴き認知症の人の気持ちを理解する。

アンケートより (図:相談する外部機関、過去の認知症を学ぶ機会、ワークショップを受けた感想(図版以下掲載)

〜研修を受けての学び〜
・ヘルプカードにより、初対面の人でもサポートする事が可能であり、今後見掛けた際に困っている状況であれば、声掛けを実践したいと思います。
・地域包括支援センターが認知症の方の窓口となっているのを初めて知った。軽度の方の声が映像で聞けて良かった。
・認知症の方には、やさしく対応する。業務中に出会ったときに、どこまで時間を使って応対するのか判断が難しいと感じました(個人的なときは、なるべくやさしく声かけしたいと思います)。
・認知症の症状には様々なものがあることが理解できた。駅で困っている人を見かけた時は、積極的に声かけを行っていきたい。
・認知症にもいくつか段階があり、30代と若い人でも認知症になる可能性があることを知り、本当に他人事ではないと感じました。また、認知症の方の立場に立った意見をたくさん聞けてとても参考になりました。
・自分の思い込みに気付きました。「お金を持ってない」と乗客の方に言われた場合、受講前だと「無線乗車だ」と思い込んで対応していたと思います。今後は、そのような思い込みをせずに、真摯に対応したいと思いました。
・「大変なときがある」だけで「大変な人」ではない。
・外国人、観光客だけでなく、障害者、認知症等でお困りの方がいること。優しく声かけを行うこと。落ち着いてもらう対応をとること。職員で連携して対応を行うこと。

・認知症に対する正しい知識や、グループ討議によるさまざまな意見を聞くことで、今後、自分が対応する場合の参考になった。

  

2)認知症にやさしい駅カフェ
協力) さきょう認知症にやさしいまちづくり部会・叡山電鉄他 

認知症当事者の方・家族・支援者100名強が集まり、八瀬駅を認知症カフェホールに!!

3)オフサイト ミーティング

当事者ご本人3名・ご家族1名
認知症介護研究・研修東京センター 永田氏
交通エコロジー・モビリティ財団 バリアフリー推進部 松原氏
左京医師会 石川Dr
叡山電鉄株式会社
認知症の人と家族の会
左京区健康長寿課 
京都市長寿すこやかセンター
オレンジカフェ支援者

京都市保健福祉局障害保健福祉推進室UD担当

認知症について周りの方の理解を深めていく・理解者を増やすことが大切。
駅において、カメラや機械ではなく、困った時に相談できる人を置いて欲しい(職員さんでなくてもボランティアさんでもいい)。
こういったカフェを通じて、認知症の方の困りごとを聴かせて頂くことが大切。
行政にお願いしたいことは、ここ(八瀬駅)のように集まれる場所を提供してほしい。
認知症のある人も・ない人も同じ場で一緒に過ごすことが大事。
外出することが自分の暮らしの中で大事なこと。
乗換時に負担がある。
ヘルプカードを京都市としても普及が出来ればと考えている。
⇒敬老パスを配布する際に全員の手元に渡る仕組みのほうが良いのではないか?
何人来てくれたか?より、一人一人が楽しめるカフェかどうかが大事。
こういったカフェに当事者の方と一緒に参加することで職員の方の新たな気づきにつながる。
屋内のカフェではなく、屋外でのカフェを企画することで、外出ができる楽しみにつながり目標となる。まち全体がカフェになることが理想。認知症のイメージ・意識を変えることが大事。
パスを持っていれば電車に乗れるが、チァージを忘れた場合パニックになる。
今日は、来て笑顔が出た。こういう場所を増やして欲しい。
行方不明を防ぐ声かけ訓練も大切だが、今日のような楽しい居場所をたくさん創ることにも力を注いで欲しい。
認知症になっても外出をあきらめない社会を創って下さい!!

 

認知症にやさしい交通セクターを目指すワークショップ

認知症にやさしい交通セクターを目指すワークショップ

認知症にやさしい交通セクターを目指すワークショップ

認知症にやさしい交通セクターを目指すワークショップ

認知症にやさしい交通セクターを目指すワークショップ

 

写真 認知症にやさしい交通セクターを目指すワークショップ

相談する外部機関

図 相談する外部機関

過去の認知症を学ぶ機会

図 過去の認知症を学ぶ機会

ワークショップを受けた感想

図 ワークショップを受けた感想

認知症にやさしい駅カフェ

認知症にやさしい駅カフェ

認知症にやさしい駅カフェ

写真 認知症にやさしい駅カフェ

オフサイト ミーティング

写真 オフサイト ミーティング

 

 

 

バリアフリー設備のご紹介

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