バリアフリー推進事業

平成23年度ECOMO交通バリアフリー研究助成対象事業 中間報告

研究助成名

市民参加型バリアフリー基本構想の作成プロセス及び制度等の課題の基礎的研究(237-社5)

研究者名

東洋大学 神吉優美

 

研究内容

本研究は、市民提案型バリアフリー基本構想作成におけるプロセスや制度等の課題について把握することを目的としている。
 平成23年度は、以下の内容で研究を進めた。

 
       
  1. 市民提案型バリアフリー基本構想の先進事例調査
  2.  
 

これまでに名取市(平成19年2月)、土浦市(平成19年7月)、大阪市(平成21年3月)、調布市(平成23年11月)においてバリアフリー基本構想が市民提案された。

    1. 土浦市の事例調査:「バリアフリー新法にもとづく基本構想を実現させる会(通称、土浦バリアフリーネット)」へのヒアリング調査の実施(平成24年2月)。

・平成19年7月、「バリアフリー新法にもとづく基本構想の策定を実現させる会」は土浦市長に対して「「バリアフリー新法」にもとづく「基本構想」策定の住民提案について」を提出。
・提案内容は、@重点整備地区の区域(土浦駅周辺〜土浦港、ショッピングモール505〜亀城公園)、A基本構想の策定・推進において高齢者・障がい者等当事者が深く関与できる参画の仕組みづくり、Bユーザーエキスパートや参加したい人すべてが参加できる公募の仕組みづくり。
・これまで障がい種別ごとの活動はなされてきたが、それらの活動をつなげるキーパーソンが存在したことが、市民提案の実現に導いた。また、当事者が声をあげることが大切だが、その思いをアウトプットできる事務処理能力も必要。
・今後の課題は、違う視点の人、特に若い人たちを活動に巻き込んでいくこと。
b.調布市の事例調査:「飛田給地区バリアフリー新法に基づく基本構想にかかる市民提案」モニタリング調査(平成23年7月〜11月)。
・2006年に「飛田給福祉のまちあるき実行委員会」設立。福祉の視点から災害時の意識・行動調査、バリアフリー点検のまち歩き、南口整備に関するアンケート調査、勉強会等を実施してきた。
・新法に市民提案が位置づけられたことを受け、バリアフリー基本構想の作成を目指した。
・これまでの活動を踏まえ、重点整備地区の区域、対象施設、生活主軸と補助生活主軸(道路)を選定。施設および主軸の選定には、20011年3月11日の東日本大震災も影響。
・各主軸(道路)に対して、課題と対策をまとめた。
・実行委員会が長年問題としてきた飛田給駅西側踏切の拡幅についても盛り込まれた。
・時間的制約や調査依頼の問題から、対象施設内のバリアフリー点検は行わなかったため、施設については対象施設を抽出するにとどまった。
・平成23年11月、調布市バリアフリー推進協議会に対して「飛田給地区バリアフリー新法に基づく基本構想にかかる市民提案」を提出。
・専門知識、提案レベルの判断、提案⇒構想移行過程の透明化、行政の関わり等が課題。

  1. 東洋大学生による練馬駅周辺地区バリアフリー基本構想案の作成

 平成23年11月〜、東洋大学生が練馬駅周辺地区においてバリアフリー基本構想案を作成。平成24年3月に練馬区福祉のまちづくりを推進する区民協議会委員に対して発表予定。

  次年度以降は、@市民提案型バリアフリー基本構想の先進事例調査として、提案した市民側および受理した自治体側へのヒアリング調査の実施、A飛田給地区基本構想作成段階における具体的な問題点の抽出、B練馬駅周辺地区基本構想案を学識経験者、ユーザーエキスパート、コンサルタントにチェックしてもらい市民が基本構想を作成する上での課題の抽出等を予定。

 

バリアフリー設備のご紹介

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