バリアフリー推進事業

2023年度 一般部門 成果報告

研究助成名

ナビゲーションタグの実用化ならびに標準化に向けた検討と課題の整理

研究者名

特定非営利活動法人アイ・コラボレーション神戸 北山 朋子

キーワード

視覚障害者、聴覚障害者、外国人、空港、避難誘導、歩行支援

研究内容

(研究目的)
これまで、二次元コードを活用したナビゲーションタグについて、主に視覚障害への駅構内および乗り換え移動を想定した有効性評価を行ってきた。本研究では、視覚障害者、車いす利用者、聴覚障害者、様々な障害のある方、外国人来訪者、健常者等の安全な歩行、回遊性の向上、および災害時への適用を検討することで、ナビゲーションタグの普及展開に向け、これまでより対象者と対象場所、対象状況を拡大することにより、実用的かつ有効な普及のための検討と課題整理を行うことを目的とした。

(研究手順)

 本研究では、視覚障害者、車いす利用者、聴覚障害者、外国人来訪者の安全な歩行、回遊性の向上、および災害時への適用を検討することで、ナビタグの普及展開に向け、これまでより対象者、対象場所、対象状況を拡大することにより、実用的かつ有効な普及のための検討と課題整理を行った。特に、今回の研究期間内では、ナビタグ設置の方法の標準化に向けた検討を行った。その手順を以下に示す。  本研究では、これまでの神戸市地下鉄三ノ宮駅、神戸新交通ポートライナー三ノ宮駅に加え、神戸空港にも設置したことにより、三ノ宮から神戸空港に至る広域的な空港への案内誘導を検討した。  また、空港内においては、空港内誘導に加え、災害に備えた避難誘導の検討も合わせて行った。  さらに、海外での設置状況を把握し、それらの設置方法を参考にするため、ナビレンスの本社のあるスペインとイギリスにおいて、事例調査を行った。  それらの結果を踏まえ、今回は、ナビレンスのみの検討ではあるが、ナビタグの標準化に向けた検討を行った。

(研究成果)

広域的移動に対する空港アクセスに関しては、視覚障害者だけでなく、車いす利用者、外国人来訪者にも有効であることがわかった。また、点字ブロックが敷設されていない空港内においても、ナビタグにより視覚障害者の移動を支援できることがわかった。さらに、災害時におけるナビタグを活用した情報提供も、聴覚障害者にとって有効であることが分かった。  今後、ナビゲーションタグの標準化に向けては、一部の箇所だけなく、広域的なエリアに導入することで、その効果がより有効的なることがわかった。 詳細及び旅客施設におけるガイドラインの原案は報告書で提示する。