こども連れ移動時の安全性と利便性の両立をめざした子供と乗る自転車
法政大学 デザイン工学部システムデザイン学科 山田泰之
自転車,子供の乗せ自転車,安全性,人間中心設計
(研究目的) (研究手順) 同乗する子供の乗車時と乗り降り時双方の安全性を確保するため,子供の搭乗位置の検討と,子供の保護を行う補助具の追加を検討した.これらの検討では,実験自転車を作成して子供の簡易ダミーを用いて,自転車事態の運転性・操作性,転倒時の子供のHIC(頭部の衝撃指数)の比較した. (研究成果)
日本の都市事情に適応しつつ,子供乗せ自転車への子供の搭乗と移動時の安全性,転倒時のリスク低減を目指した子供乗せ自転車を開発した.一般的な子供乗せ自転車の子供の重心高は約1000 mmであり,転倒時の子供の頭部に与える衝撃(HIC)が高く脳障害のリスクがある,また,重心の高い自転車は走行安定性が低い課題があった.そこで,後輪を小径化して子供の乗車位置を下げることにより,子供の乗せ自転車の転倒時の子供への衝撃を低減した.また,転倒時の子供の保護を目的としたロールケージを設置することで,子供乗せ自転車転倒時の子供にかかる衝撃を低減した.実験的に,転倒時の子供頭部への衝撃度合いを表す指数HICを比較した結果.一般的自転車でヘルメットを着用して転倒した際に比較して,提案自転車は,30%の衝撃(HIC)を低減し,安全性を高められることを確認した. 2.研究開発概要
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図1 試作自転車
図2 子供の乗り降りと座席高さ
図3 スラローム試験の様子
図4 転倒実験の様子
表1 各条件時の転倒時最大加速度とHIC