1ページ目 『施設整備における当事者参加の必要性』 DPI日本会議副議長 NPOちゅうぶ代表理事 尾上浩二 2ページ目 私とバリアフリーの関わり ・1960年大阪市生まれ、1歳で脳性マヒとの診断。電動車いすを常時使用し生活 ・養護学校、施設を経て、中学から地域の学校へ。 ・大阪市立大学に入学後、障害者運動に参加。駅のエレベーター設置や全国初のバリアフリー条例制定運動の事務局長を務める ・2000年、2020年バリアフリー法の国会参考人 ・現在、DPI副議長、内閣府障害者施策アドバイザー 〈画像説明〉衆議院・国交委員会で発言する尾上氏の画像 2020年3月31日 衆議院・国交委員会 バリアフリー法改正審議に参考人として出席 3ページ目 社会的障壁のジャングルと障害者運動 障害者差別解消法の中には「社会的障壁」という言葉がある。 「そよ風のように街に出よう」と呼びかけた外出運動から40数年。 社会的障壁に取り囲まれたジャングルの中、必死にけもの道を前進し、道をつくってきた。 ちゅうぶ発足から30年を経た今、もっともっと大きな道とする取組を進めていきたい ・社会的障壁に取り囲まれたジャングルの中、必死にけもの道を探すように前進し道をつくってきたのが、障害者運動 4ページ目 40年前… 〈画像説明〉横並びの2枚の写真 左:複数の人が担いで車椅子使用者が階段を下りる画像 階段だけの時代 地下鉄は100%、階段のみ。どこに行くにも階段を担ぐ日々。でも乗客は必ず協力してくれました 右:複数の人が支えながら、車椅子使用者が下りエスカレーターを利用する画像 乗車拒否が当たり前だった日々 バス・タクシーでの乗車拒否は当たり前 喫茶店、居酒屋もガラガラなのに「ちょっといっぱいで…」と拒否 5ページ目 一見、何の変哲もないエレベーター 〈画像説明〉エレベーターに乗っている車椅子使用者が、下り方向のボタンを押す画像 6ページ目 車いす用呼び出しボタンを押すと… 〈画像説明〉エレベーター内の操作ボタンの画像 7ページ目 車内乗車位置・扉表示シール 〈画像説明〉電車内の扉に貼られている点字付きの乗車位置表示プレートの画像 8ページ目 バリアフリーは「西高東低」だった ・「西高東低」は冬の寒い日の気圧 ・バリアフリーは「東よりも西の方が進んでいる」という意味 ※現在は東京の方がノンステップバス、UDタクシー、ホームドアの設置等で進み、一方、大阪は停滞 ・でも、1990年代より前は、「設備面」ではそんなに大きな差は無かった ・1990年代の以下の動きが大きかった ・大阪府・福祉のまちづくり条例 ・大阪市「ひとにやさしいまちづくり」方針 ・大阪市営地下鉄「ええまち計画」 9ページ目 当事者の声を元に生まれたBFの例 ・エレベーター内でボタンを押さなくても自動的に別階に ・地下鉄車両扉に車両・扉位置の点字等表示 ・リフト付路線バスが大阪市営バスに導入(1991年) ・大阪府・福祉のまちづくり条例(1992年) ・大阪市・地域の学校のバリアフリー義務づけ(1993年) ・乗り換えルートも含めた地下鉄全駅バリアフリー化 ・地下鉄・全車両に車いすスペース設置 ・既存路線で全扉段差解消 ・鶴見緑地線(リニアモーター方式) ・千日前線(旧来方式)) 10ページ目 大阪市営地下鉄の取り組み 〈画像説明〉電車がホームに停車している。扉とホームドアは開いている。段差、隙間の対策箇所が図示されている画像 千日前線 全駅・すべての乗降口の段差・すき間を解消 11ページ目  〈画像説明〉尾上氏が単独で電車から降車する画像 大阪市営地下鉄ホームドア設置駅→すべての乗降口が段差とすき間解消→車いすは単独乗降可能! 12ページ目 段差20ミリ以下、隙間30ミリ以下 〈画像説明〉電車とホームの隙間を図示 プラットホームの床面かさ上げで段差をすき間材(ゴム製)ですき間を解消している ・長堀鶴見緑地線(全駅)段差:0〜15ミリ、すき間:約20ミリ ・千日前線(全駅)段差:0〜20ミリ、すき間:約30ミリ →目標数値を定めて計画的に改修 13ページ目 〈画像説明〉電車が停止しているホームの写真 既存のホーム部分から緩やかにかさ上げすることで、戸口との段差が解消していることを図示 ホームドア設置と同時に、段差・すき間解消 ・ 車いす利用者は単独乗降可能。ベビーカー、スーツケースもスムーズに! ・ 勾配を2段階にすることで、視覚障害者も違和感を感じず移動可能 14ページ目 障害者権利条約・オリパラとバリアフリー・UDの進展 ・2006年 国連・障害者権利条約採択 ・2013年 IPCガイドライン、障害者差別解消法制定 ・2014年 障害者権利条約批准 ・2017年 UD2020行動計画Tokyoアクセシビリティガイド ・2018年 バリアフリー法改正(基本理念、マスタープラン、定期的見直し、評価会議) →当事者参画の評価会議・分科会を各地に設置 ・2020年 バリアフリー法改正(公立小中学校義務化等) ・2022年 情報アクセシビリティ・コミュニケーション法、万博UDガイドライン改訂版 15ページ目 BF評価会議・近畿分科会の取り組み ・2018年 バリアフリー法改正 →「評価会議」の設置。「障害当事者が参画し評価する仕組み」 ・各運輸局ごとに「評価会議・分科会」 ・近畿分科会は委員提案や事務局提案企画など活発 ※2024年は「乗船中の避難誘導」について意見交換 ・2021年11月16日、17日 「大阪→別府間のフェリー乗船体験」(近畿・九州分科会の協働事業) 16ページ目 【近畿・九州分科会協働事業】乗船体験レポート(2021年11月16日から11月17日) 目的:障害当事者が船旅を体験することにより、移動時のバリアの実態を確認するとともに、事業者との意見交換をすることにより、非日常的な空間である船旅をより楽しめる方法を学ぶ(評価会議九州分科会、別府港UDターミナル推進協議会協働事業) スケジュール ・11月16日火曜日 14時15分からJR住吉駅バス移動 15時からターミナル見学 17時15分 乗船受付 18時 乗船開始(船内見学、説明) 19時 出港 20時から夕食 以降自由時間 ・11月17日水曜日 6時20分 入港(大分港下船) 6時45分 出発バス移動 7時15分 朝食(和定食) ホテル別府パストラル 9時 ターミナル見学(別府港) 10時30分から12時 意見交換会亀の井ホテル、昼食(勢吉うどん) 13時30分から15時 海地獄(足湯体験) 15時55分から17時 空港見学(大分空港) 18時45分 大分空港発(JAL2366(19時55分着)) 19時 (ANA1692(19時55分着)) 20時10分 伊丹空港着、解散 17ページ目 以下、尾上の報告より 〈画像説明〉乗り口から撮ったエレベーター内部の画像 けっこう広かったエレベーター ・ 12人定員だったが、通常の15人乗り程度のカゴ ・ 車いす・二人で乗れるスペース ・ 30年ほど前は、おぶってもらって階段を上り下りしていた 18ページ目  〈画像説明〉車椅子使用者とキャリーバックを持つ人が、廊下を同じ方向に進む画像 車いすですれ違える通路幅 19ページ目  〈画像説明〉横並びの2枚の写真 左:客室の扉を開けて客室内をのぞき込む車椅子使用者の画像 右:車椅子使用者が客室に入ろうとしている扉と足元の画像 回転できるスペースがない ・重たく、ストッパーもない扉 20ページ目  〈画像説明〉横並びの2枚の写真 左:客室内にいる尾上氏がベッドの上の荷物に手を伸ばす画像 右:車椅子のフットレストとベッドの下部が干渉している画像 せめてベッド下にクリアランスがあれば… 21ページ目 〈画像説明〉横並びの2枚の写真 左:車椅子使用者が客室に入る時の画像 右:2台のベッドが横並びにある客室の画像 大きな部屋もクローゼットで入れない 22ページ目 快適に過ごし、旅を楽しめるように! 【乗船体験報告に寄せた尾上の感想より】 「フェリーは動くホテル」との説明があった ・「動くホテル」の内、「動く」という点に関してエレベーターや通路など、乗船や船内での移動といった「共有部分」についてはバリアフリー化が進んできていることを実感 ・「ホテル」という宿泊スペースになるともう一工夫、二工夫がほしい → 旅を楽しむためには乗り込むだけでなく、船内で快適に過ごせるか 23ページ目 進化する!船舶のバリアフリー 〈画像説明〉白の塗装に、赤とオレンジの太陽が描かれた「さんふらわあ くれない」 【さんふらわあくれない】 ・2023年春就航 ・総トン数:17,114トン ・全長:199.9メートル ・全幅:28メートル ・航海速力:22.5ノット ・旅客定員:716名 商船三井さんふらわあ公式サイトより 24ページ目 乗ってみました! むらさき(大阪〜別府) 〈画像説明〉横並びの2枚の写真 左:「さんふらわあ むらさき」の側面の画像 【2025年9月8日 大阪南港から出発!】 右:船内のエレベーターに電動車椅子使用者2名が乗り込む画像 【大型電動車いすの二人でも余裕!】 25ページ目 沢山の仲間でも楽しく食事!通路・テーブル間隔が確保されたレストラン 〈画像説明〉横並びの2枚の写真 左:レストラン内を車椅子使用者と歩行者がすれ違う画像 右:車椅子使用者等、複数名でテーブルを囲み食事を楽しむ画像 26ページ目 バリアフリールームに泊まりました! 〈画像説明〉横並びの2枚の写真 左:「さんふらわあ むらさき」の船内図 右:壁に貼ってあるバリアフリールーム内の配置図 27ページ目 自動ドア、動線の確保されたレイアウト 〈画像説明〉横並びの2枚の写真 左:開いている自動ドアの画像 右:ベッドが横並びに3台並んでいる室内の画像 28ページ目 ベッドサイドまで車いすで 〈画像説明〉ベッドが横並びに2台、その奥に上下2段式のベッドが2台ある客室 手前に車椅子使用者、奥に人が写っている画像 要注目!ベッド下のクリアランス 29ページ目 ホテルよりも使いやすい?! 〈画像説明〉浴室と洗面台が写っている画像 移乗スペース、シャワーチェアも完備 30ページ目 バリアフリー推進の鍵=当事者参画 ・大阪・関西=1990年代からの「先進的」な取り組み→しかし、2010年代くらいから停滞 ・1990年代〜「白地のキャンパス」に描くようなものだった? ・法律の基準等がなく、手探りで考えながら検討 ・前例がない、「検討会」がない →「団体の長」ではなく実際に街に出ている当事者の声が活かされた ・法律・ガイドラインが整備される中、「基準さえ満たしておけばいい」といった風潮、なんちゃってバリアフリー ・鍵は「具体的な仕組みを伴う当事者参画」〜「量」も「質」も 以上