「ECOMO交通バリアフリー研究・活動助成」を受けて
研究・活動された方々に聞きました!

2008年度より実施してきたECOMO交通バリアフリー研究・活動助成(以下、研究・活動助成)について、助成を受けられた方々に、研究・活動助成のことをオンラインインタビューでお聞きしました。
今後、研究・活動助成への申請を考えられている方の参考になれば幸いです。

インタビューにご協力頂いた方々

呉工業交通専門学校
環境都市工学分野
教授 神田佑亮さん

(2018年度、2019年度に助成を受ける)
  • 「Happy Bus停」プロジェクト〜バリアフリーで快適なバス利用環境を面的発想で実現する〜
  • 長期交通障害発生時の公共交通サービスのバリアフリー対応に関する研究~平成30年7月豪雨災害の実践と経験から~

東京理科大学理工学部
土木工学科
教授 寺部慎太郎さん

(2011年度、2017年度に助成を受ける)
  • 首都圏鉄道駅における乗換利便性の経年変化分析と計画停電がバリアフリー喪失に与える影響
  • 鉄道駅プラットホーム上の安全性評価指標の高度化

京都市岩倉地域包括支援センター
松本恵生さん

(2018年度助成を受ける)
  • 認知症になっても交通機関を利用し外出を続けられる社会を目指す

大阪大学人間科学研究科
特任講師 石塚裕子さん

(2013~2014年度、2019年度に助成を受ける)
  • ユニバーサルデザインのまちづくりの実現に向けた継続的な市民参加の効果と成立条件に関する研究
  • 当事者主体のインクルーシブなコミュニティ減災モデルの構築

一般社団法人生き方のデザイン研究所
遠山昌子さん

(2018年度、2020年度助成を受ける)
  • どこでも・だれでも・気軽にサポートプロジェクト
  • どこでも・だれでも・気軽にサポートプロジェクトcont.

愛媛大学大学院
理工学研究科生産環境工学専攻
教授 松村暢彦さん

(2014~2015年度助成を受ける)
  • 心のバリアフリーを推進するための組織とプログラムに関する研究
https://researchmap.jp/read0185257

金沢大学人間社会学域学校
教育学類附属特別支援学校
教諭 吉岡学さん

(2016~2017年度、2019年度助成を受ける)
  • 知的障害児の交通ルール学習装置の開発(交通学習におけるバリアフリー化を目指して)
  • 2.5Dプリンターを使った視覚障害者・児用 触地図の効果について 

アクセスジャパン
今福義明さん

(2019年度、2020年度助成を受ける)
  • 多様な車いす使用者の「JPN・TAXI」への親しみ・利活用の気付き・試乗会
  • オリ&パラ開催によるバリアフリー化効果の評価の試み

インタビュー

(1)ECOMO交通バリアフリー研究・活動助成を応募されたきっかけは?
  • 以前から助成制度があることを知っていた。
  • 大学のイントラネットで募集のお知らせを見た。
  • 大学で掲示されているチラシを見た。
  • 市民活動の情報提供ポータルサイトで見た。
  • エコモの他の事業で知った。
(2)ECOMO交通バリアフリー研究・活動助成を使用してみての感想をお聞かせください。
○助成金の使い勝手
  • 助成事業の使い勝手はよい方だが、成果報告書の提出時期が3月中旬頃になるといい。
    2021年度からは、成果報告書の提出を2月末日から3月中旬に変更しました!
  • 学会等への参加や発表の旅費交通費が助成対象外となっているが、学生の旅費交通費で使用できるとよい。ただし、近距離の細かい交通費で使用できたことはよかった。
  • 研究期間や助成金の使用内容について、柔軟に対応してもらえたのはよかった。
  • 他の助成制度で、年度単位でない助成制度(随時受け付け等)があるが、その方が使い勝手がよい。
○成果報告会について
  • 成果報告会が毎年6月に開催しているが、報告だけでなく、該当年度の助成事業について審査委員の方々や参加者と意見交換できるとよい。
  • 成果報告会で様々な研究成果を聞くことができ、ネットワークを広げることができたのはよかった。
○その他
  • 助成金をもらうことで、事業を計画通りにすすめるためのよいプレッシャーとなった。
  • 申請の時期は卒論・修論等の目星もつき、来年度の研究構想を進める秋頃がよい。
    2021年度からは、申請期間が11月1日~11月31日に変更しました!
(3)ECOMO交通バリアフリー研究・活動助成で研究・活動された内容は、その後どのような展開がありましたか?
  • 神田佑亮さん:次年度に研究室で継続し、地元の小学校と連携した事業等へつながっています。
  • 寺部慎太郎さん:継続した事業としてつながり、国内外への論文投稿予定です。
  • 松本恵生さん:次年度は別の助成金をもらい継続して実施した結果、地元自治体の事業として予算化につながりました!ですが、現在は新型コロナウィルス感染症による影響で事業自体ストップしてしまっています。
  • 石塚裕子さん:新たに何かをはじめたという訳ではありませんが、今まで進めていた事業の総括としてまとめることができたことによって、別の事業へのつながりが期待できると考えています。
  • 遠山昌子さん:次年度に助成金で作成した冊子(視覚障害者編)を使ったプログラムを開発しましたたが、新型コロナウィルス感染症による影響により実施できていません。ですが、オンライン等を活用しつつ、新たな冊子(聴覚障害者編)づくりや、プログラム開発も進めています。
  • 今福義明さん:JPNタクシーの乗降方法が新型コロナウィルス感染症による影響により変化してきているようです。感染防止のビニールシートが運転席の後ろに貼られたので、車いすは横向きに乗車する必要がでてきました。
  • 松村暢彦さん:成果について日本福祉のまちづくり学会全国大会で発表したところ、日本福祉のまちづくり学会学術賞を受賞しました。https://www.cri.ehime-u.ac.jp/research-5080/
  • 吉岡学さん:助成事業で取り組んだ結果について、日本特殊教育学会で日本特殊教育学会実践研究賞を受賞しました。https://www.jase.jp/research/prize.html
(4)これからECOMO交通バリアフリー研究・活動助成に応募されようとしている人へのメッセージ
○基礎的研究も評価される

バリアフリー研究の大切さを理解されている審査委員の方々なので、なかなか評価を得ることが難しいような地味に見える研究であっても思い切って応募してもらいたいです。

○ネットワークのひろがり
  • 新しい情報を得るきっかけにもなり、情報のやりとりができたり、成果報告会を通じてネットワークをひろげるきっかけにもなりました。
  • 大学等研究機関の方々、地域活動している人たちをつなげるきっかけとなりました。
  • 地方都市では人の多様性を感じる難しさがあるが、助成制度を通じて様々な人と出会うことで、自分自身のモチベーションを保つことができました。地方で研究や活動を進めている方々に助成金を活用してもらえるといいなと思います。
○多くの気づきが次のステップへ
  • 成果報告会で審査委員の方からコメントをいただけるので、次へのステップへとつながりました。
  • 成果報告会に参加したことで、別の発表内容をヒントに新たな手法で取り組み始め、自分達では思いつかないことを共有できたと感じています。
  • 普段の生活とは異なる視点から考える機会となり、気づきを得られることはこの助成制度のメリットと思います。
  • 助成を受けた2016年度当時は2カ年事業だったので、中間報告の際に審査委員の方からアドバイスを頂いたり、ディスカッションすることができ、モチベーションを上げ、様々な視点をもってよりよい研究につなげることができました。

※新型コロナウイルス感染症防止のため、インタビューはオンライン方式によりご協力頂きました。