バリアフリー推進事業

2018年度 成果報告

研究助成名

バリアフリー基本構想策定における行政機関の実務上の課題 からみた今後の展開方策に関する研究

研究者名

荒川区役所 長野 博一

キーワード

評価手法、合意形成、意識改革、支援方策、実務課題、バリアフリー基本構想、まちづくり

研究内容

(研究目的)
  本研究は、バリアフリー基本構想が都市政策の重要なツールの一つと位置付けられ、まちづくりへと展開していくために行政機関が乗り越えるべき課題について、@現時点における実務上の困りごと、A庁内の認識度・職員の意識、B国・都道府県へ求める視点の大きく3点から明らかにすることを目的に取り組んだものである。 本研究では、行政及び行政職員を対象とし、困りごと・ニーズ・意識等をターゲットに設定した調査を実施し、策定のきっかけ・取り組みの視点・政策的理念などを抽出した。行政レベルに合った支援の選択肢の一助となるよう、行政間の認識度合・レベル差等の自治体間格差を表し、分類した。なお、今年度はきっかけづくりとするための調査を実施し、調査結果のフィードバックやフォローアップについては継続的に取り組むものである。

(研究手順)

基本構想策定に係る課題を把握するために、基本構想策定済みの自治体に対しアンケート調査を実施した。平成29年3月末時点に国土交通省で公表されている基本構想策定済みの293自治体及びその後に基本構想策定を把握している1自治体(足立区)の計294自治体を抽出した。なお、必要に応じて、特徴のある自治体へ赴き、担当者へ直接ヒアリングを実施した。

(研究成果)

  1. 研究成果としてのまとめとして、各自治体担当者の意識量を把握するとともに、課題として、
    ・都市整備方針と呼応できるインセンティブの必要性
    ・マスタープラン制度とこれまでの全体基本構想等の経験・蓄積の活用
    ・自治体の対応力をバックアップし広域的な方針を示す都道府県の役割の強化
    ・関係者間との信頼関係を持続できる継続的な体制づくりの支援
    の4点の課題を抽出した。
    また、実際にヒアリングを実施したことで、アンケート調査だけでは測れない感覚的な問題(現地特有の課題や、担当者の本音)をとらえることの重要性を改めて認識したところである。

    今回、大規模な自治体担当者向け調査を実施するところまでの取り組みとして進めたが、本調査・研究をベースに、フォローアップ調査を含めた継続的な研究として進める予定である。

 

 

 

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