「Happy Bus停」プロジェクト?バリアフリーで快適なバス利用環境を面的発想で実現する?
呉工業高等専門学校 神田 佑亮
バス待ち環境改善,地域連携,バリアフリー情報,動物園,集客施設
(研究・活動成果) 本研究・活動は、呉高専神田研究室に所属する学生が「広島県公共交通移動活発化検討会・地域住民による利用促進WG」に、利用促進のための心理的バリア解消策を提案したことに端を発する。利用促進のためには、郊外住宅地である広島市あさひが丘地区(高齢者比率50%以上)と、近隣の安佐動物公園との連携が必要と考え、住民を対象としたアンケート調査や現地でのフィールド調査を経て「公共交通で来たくなる動物園」をコンセプトとし、動物園の魅力発信,バスに不慣れな方や高齢者に配慮したバス待ち環境・情報提供の整備を2017年秋に学生が発案提案してきた。
(1)情報ニーズの把握 主要な回答について以下に示す.図1は来訪交通手段について尋ねた結果を示したものである.動物園の立地が郊外であることや客層が家族連れが多いことから、自動車が多数を占めているが、5名(17.2%)がバスで来訪していた. 図2は、公共交通についてあったら良いと思う情報について尋ねた結果を示している.バス走行位置情報、公共交通利用による優遇情報が優位を占めている.この地域の路線バスはほとんどがバリアフリー対応であり、情報としてのバリアフリー情報提供に対するニーズは限定的であった. (2) 「Bus停in売店」の具体設計、環境整備 「Happy Bus待合所」(図3)のパネルは、売店が待合所と認識してもらえるように、バス停の形状を模した.また、このパネルには、バス停までのルート、広島方面へのバス時刻表(2社分を1つの時刻表にまとめて表示)、バスの主要経路,広島都市圏のバスロケサービス「BUSit」のリンクのためのQRコードをレイアウトしている.なお、形状はレッサーパンダをモチーフとしているが、(1)で実施したアンケートにて、回答者から得られた「安佐動物公園」を代表とする動物が、レッサーパンダであったためである. 「ハッピーお出かけバスガイド」(図4)では、バリアフリー情報として車椅子や乳幼児・お子様連れの方向けの情報に加え、近年増加している外国人訪問者へも対応するため,英語表記も行なっている.また、バス停までの経路情報には所要時間を記しているが、高齢者や車椅子の方の所要時間もあわせて表示している.その他、バスの経路情報や観光回遊を促進するためのスポット情報を掲載している. 上記の一連の活動について、広島市安佐動物公園、国土交通省中国運輸局、あさひが丘連合自治会、地域の公共交通事業者である広島電鉄株式会社、株式会社フォーブル、広島高速交通株式会社の協力を得て推進した.なお当初の計画では助成期間内に設置予定であったが、平成30年7月豪雨の影響により夏季?秋季の期間において活動が困難な時期が発生した.関係機関との調整もあり、製作した一連のツール類は、平成31年3月13日に、地域の方々を招いて設置式を行い運用を開始する. |
図1:来訪交通手段
図2:公共交通についてあったらいいと思う情報
図3: 「Happy Bus待合所」 のパネル
図4: 「ハッピーお出かけバスガイド」
図5: 簡易バスロケサイネージ画面
図6: 設置場所のイメージ