バリアフリー推進事業

平成23年度ECOMO交通バリアフリー研究助成対象事業 成果報告

研究助成名

子育て期の交通バリアフリーに関わる人材育成・普及啓発に関する研究 (237−社7)

研究者名

宇都宮大学 長谷川万由美

キーワード

子育ち 子育て バリアフリー 子連れ外出 ベビーカー

研究内容

(研究目的)
本研究は、子育て当事者や子育て支援関係機関の職員等に対して、ベビーカー利用における知識取得・マナー向上に向けた教育方法等、子育て期の交通バリアフリーに関する人材育成・普及啓発を行うための教材開発とその効果の検証を明らかにしていくことを目的とする。

(研究手順)

  1. 1)交通バリアフリーの普及啓発等に関する既往文献の整理、先進的取組み事例のレビュー
    関東運輸局が作成している『こころのバリアフリーガイドブック』等の心のバリアフリーや人材育成に関する資料収集や子育て当事者が利用しやすいサービス提供など公共交通機関の事例収集を行った。また、子育て中の人のニーズを把握するため,インタビュー調査などで子育て中の外出のニーズ把握を行った。

    2)子育て期の交通バリアフリーに関する研修用テキスト試案の作成
    1)での調査の結果を踏まえ、公共交通機関におけるベビーカー利用上の問題・課題と感じている内容や手助けできる項目等を整理する。その後「一般利用者が子育て期の母親やベビーカー利用等に対して感じていること」「子育て期の親等が一般利用者に対して感じていること」に分け、子育て期のバリアやバリアフリーのために必要なことについて主として初めての子どもを育てている人,これから子どもを持ちたいと思っている人を対象とし,子育て期の外出に際して知っておいてもらいたいことを身につけられるようなテキストを作成した。その際,こどもの発達段階と外出の場面に着目して内容を整理した。また,このテキストを用いた「子育ち・子育てバリアフリー教室」の具体的な実施場面について検討を行った。

    3)テキスト試案の実効性についての検証を通してテキストの精査
    テキスト試案に関する意見交換会を行い,多角的に内容を検討するとともに,実施する場合の留意点などについてアドバイスをもらい,2)の試案の修正を行った。

(研究成果)

  1. 妊娠中や子連れでの外出に関した基本的な知識の習得を目的として「子育ち・子育てバリアフリー教室」を実施することを想定し、そこで使用するテキスト(A4, 20p,カラー印刷)を開発した。内容は、外出の場面別にまとめ、とくに子どもの発達段階に応じた対応ができることを意識し,子育て経験がない人が読んでもわかりやすいことに留意して作成した。テキストの内容を以下に示す。

    子育て層のニーズ
    □外出時の意識調査
    ベビーカー、おんぶ・だっこひも
    □ベビーカー・安全な利用と種類 □おんぶひも・だっこひも
    授乳室・ベビー休憩室・キッズスペース 
    □授乳室・ベビー休憩室の設置場所 □ベビー休憩室・キッズスペース □授乳室内の設備 □授乳服や授乳ケープ □標識(ピクトグラム・サイン)
    トイレ 
    □トイレ内の設備 □多機能トイレ □キッズトイレ
    道路・歩道 
    □まちなかの歩行で気を付けること □幼児用三輪車
    エレベーター・エスカレーター 
    □エレベーター(安全な利用と形状・ルート)□エスカレーター・動く歩道
    自転車 
    □自転車の乗り方 □幼児乗せ自転車 □自転車を安全に利用するためのルール □駐輪
    タクシー 
    □タクシーを利用するときに気をつけたいこと(子ども連れの場合、妊婦さんの場合)
    自家用車
    □チャイルドシート □妊婦のシートベルト着用 □車の安全・安心機能 □駐車場
    路線バス
    □子連れでのバス利用 □料金の支払いや整理券の授受 □ベビーカーでのバス利用 □ベビーカーの車内固定具
    電車
    □子連れでの電車利用 □券売機・改札 □ホームの傾斜 □ホームドア □昇降時の注意点
    子育ち・子育てバリアフリー教室の実施に向けての基本的な考え方 
    □想定される実施の場  □子育ち・子育てバリアフリー教室実施モデル

 

 

バリアフリー設備のご紹介

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実績報告

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