バリアフリー推進事業

平成21年度ECOMO交通バリアフリー研究助成対象事業 成果報告

研究助成名

交差点横断部の視覚障害者誘導用ブロックに関する調査研究(252-2)

研究者名

社会福祉法人視覚障害者支援総合センター 煖エ和哉

キーワード

視覚障害者誘導用ブロック、ホーム縁端警告ブロック、交差点横断、方向定位

研究内容

研究目的

本研究は、現状交差点でのブロック敷設方法と敷設ブロックの種類を変更する事により、多くの視覚障害者が、安心して安全に横断できることを可能にし、日常的に無理なく交差点を利用できることを目的とする。

 
研究手順

現況調査と歩行実験を同時期に行った。

1.現況調査

@青梅街道(JR荻窪駅?井草八幡前交差点)の交差点(48カ所)調査  主な調査項目:縁石の状況、点字ブロックの敷設状況、交差角度
A視覚障害バス利用者(JR荻窪駅?八丁 約900m)への聞き取り
B八丁交差点において、視覚障害者の交差点横断調査 主な観察項目:信号待ち時の立ち位置

2.歩行実験
@公道上での内方線の位置 実験空間と違い、走行車両の走行音、走行風を感じる公道上において、視覚障害者が内方線を使用する際に、好ましい敷設位置を確認する。
Aホーム縁端警告ブロックを用いた方向定位の有効性 実験空間で、現状敷設(点状+誘導ブロック)とホーム縁端警告ブロック敷設の方向定位の比較を行う。

研究成果

1.現況調査
@方向定位のための指標の一つである横断口の縁石の信頼度は、約5割である。音声信号が設置されていても視覚障害者が横断不可能な交差点がある。  
A900mの移動の中で、1カ所の横断不可能な交差点があることにより、歩行を断念し、バス利用を選択している。

B縁石から約70?90cm離れた地点で信号待ちをするケースが多かった。一旦停止せずに横断を開始するケースが約6%あった。

2.歩行実験
@内方線は、車道側が望ましいという意見が多かった実験空間と違い、公道上では、ほとんどの視覚障害者は、内方線は歩道側に設置すべきという意見であった。

A現状敷設とホーム縁端警告ブロックの間で有意さは認められなかったものの、ホーム縁端警告ブロックが方向定位するにおいて、優れている傾向はあった。また、点状ブロックの配置において、長方形に敷設した場合と段違いに敷設した場合の差は、全く見られなかった。

3.全体を通して
歩行以外の移動手段がある場合、視覚障害者は、歩行を選択しない。そのため、移動支援効果が利用者に検証されない。よって、誤ったブロック敷設や音声装置設置が、まかり通っている。受益者である視覚障害者の移動に対する意識の変化に期待をする。

  実験では、現状敷設とホーム縁端警告ブロックの差が出なかった。よって、横断中心部は、これまで通りの誘導ブロック+エスコートゾーンを敷設し、両サイドは、ホーム縁端警告ブロックを敷設することにより、より安全な交差点横断を保障できる。

 

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