バリアフリー推進事業

平成20年度ECOMO交通バリアフリー研究助成対象事業 成果報告

研究助成名

視覚障害者を対象にした歴史的観光地における移動のバリアフリー化に関する研究(248-4)

研究者名

大阪大学大学院工学研究科 新田 保次

研究内容

1.研究目的
QOLを向上させるには,日常の外出機会だけでなく,観光や娯楽等を目的とした非日常の外出機会を増やしていく必要がある.しかし,我が国の代表的な観光地である歴史的な地区では,様々な理由によりバリアフリー化が遅れている(図1参照).既往調査では,障がいがあるためにあきらめたり妥協したりしたことについて「旅行や遠距離の外出」の占める割合が高い結果となっており,筆者らの既往研究においては,視覚障がい者の観光行動のニーズが,顕在化していないことが確認されている.
そこで,本研究は歴史的観光地における視覚障がい者の観光行動を主対象にしくみ,かたち,こころの各方面から課題を整理し,歴史的観光地におけるバリアフリー整備の方向性について考察することを目的とした.
2.研究手順
研究の手順は以下のとおりである。
@ 歴史的観光地においてバリアフリー化が進まない構造を体系化した上で、行政計画上の歴史的観光地のバリアフリー化の位置づけを整理し,しくみの課題整理を行う。(第2,3章)
A 視覚障がい者を対象にアンケート調査を実施し,旅行・観光行動に実態を把握した上で、国際生活機能分類ICFの考えを援用し、外的要因(環境因子)と内的要因(個人因子)およびそれらに影響を与える経験(主観的体験)の視点から観光行動ニーズの構造を明らかにする。(第4,5章)
B 岡山県倉敷市美観地区をモデルに、視覚障がい者に配慮した観光ガイドを試行し,その効果を分析する.(第6章)

@〜Bの結果を踏まえ、歴史的観光地のバリアフリー整備の方向性について考察する.(第7章)
 
 

歴史的観光地のバリフリー化の要因

図1 歴史的観光地のバリアフリーの要因

 

ガイドの様子

写真1 ガイドの様子

 

印象の変化 

図2 印象の変化

 

行動意図の変化

図3 行動意図の変化

 

バリアフリー設備のご紹介

バリアフリー設備のご紹介